テンナンショウの仲間たち・・・はじめにArisaema Martius 日本のテンナンショウ属はおよそ31種を挙げられます。しかし、同種間の変異種が多く、分類のむずかしい植物です。 変異種を加えたら相当数になると思われます。 地下部に球茎を持ち、そのほとんどが遍球茎の地下茎がある。また子球からも容易に増やすことが出来る。 偽茎と呼ばれる茎には、マムシのうろこ状の肌を思わせるもの、淡褐色~淡緑色で無地のものなどがある。 またマムシグサという呼び名も嫌われる要因になっていると思います。 葉は1個または2個で、偽茎の中間にあり、葉柄の付け根から上を花柄と呼ぶ。葉身は鳥足状、掌状、輪生状に3枚~23枚の小葉に分かれる。 花にあたる部分は仏焔包と呼ばれ、下部を筒部、上部を舷部といい1枚で構成される。仏焔包は花序を巻く。 舷部は直立、斜高、水平、下垂するもの、長さも短いものから著しく長くなり糸状に伸びる種などがある。 花は単性で、花軸の下に密生し、通常は雌雄異株。花軸の先は棒状になり、付属体と呼ばれる。付属体は細いものから棒状、棍棒状、先だけ太くなるもの、鞭状もしくわ糸状に長く伸びるものなどがある。 果実は液果で集合果(トウモロコシ状)になり、朱赤~紅赤色に熟し、それぞれに1個のタネがある。 テンナンショウ属は全草有毒ですが、一部地域では球茎を晒して食用にしているところもある。 テンナンショウ属では、固体の栄養状態において性転換し雌雄が決まる。 Arisaema は、Arum 属名とギリシャ語の haima 血赤色から。 Arum テオプラスツス(Theophrastus)によって用いられた名。 Aron→ギリシャ名。 中国では、天南星という。 テンナンショウ属は世界に約150種あり、そのほとんどが東アジアからヒマラヤにかけての湿潤な暖帯~温帯に多く、東南アジア、マレーシア、北アメリカ、メキシコ、アフリカ東部の高地などに分布する。 「テンナンショウの仲間たち」の発行のきっかけは、特異な植物のためか、思うような図鑑などが少ない。 種類によっては、形や容姿が大変美しいもの、素敵なものも多くあります。是非見直すきっかけになればと思います。この冊子が少しでもお役に立てれば幸甚です。 各地の友人や知人、インターネットを利用して入手したものなどを元に画像を作成収録しました。 説明など未だ不備な点が多いですが、少しづつ手直しをしながら完成させたいと思います。 平成16年6月 A4版30ページ(平成16年6月4日発行) 表紙 内容見本 |